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電気安全に関するQ&A

日本では火力発電の比率が高く、CO2の排出量が多いことが国際的に問題視されているようですが、何か対策はないのでしょうか。

現在、火力発電からのCO2排出量を実質ゼロにする“ゼロ・エミッション”に向け、さまざまな技術開発が急ピッチで進められています。

石炭火力の更なる引き下げの方向

電源構成の7割以上を占める火力発電。化石燃料を使用していることから多くのCO2を排出していますが、そのCO2を実質ゼロにする脱炭素型火力発電が求められており、CO2を排出しない燃料への転換や、排出されるCO2をリサイクルする取り組みなどの研究が進んでいます。

■火力発電所のゼロ・エミッション化が必要な理由
電源別発電電力量構成比(2021年速報値)

2050年カーボンニュートラルに向け、CO2をはじめとする温室効果ガスの削減が世界的な喫緊の課題としてさまざまな取り組みが進められています。中でも、CO2排出量の多い石炭火力発電は大きな問題となっており、ヨーロッパを中心に廃止の動きが加速しています。日本も将来的には効率の悪い石炭火力を廃止する方針で、現在電源構成で30%以上を占める石炭火力を2030年に19%まで下げる目標を示しています。ただ、急激に火力発電をなくすことは現実的ではなく、CO2排出量実質ゼロを目指す“ゼロ・エミッション火力”への転換が急がれているのです。

■ゼロ・エミッションとは
石炭火力発電所への燃料アンモニアの導入効果

ゼロ・エミッションとは、廃棄物をリサイクルや排出量削減を通じて限りなくゼロに近づけるという意味です。エミッション(emission)とは排出という意味で、温室効果ガス(CO2)の排出ゼロに向けた取り組みもゼロ・エミッションといわれます。

石炭火力のゼロ・エミッション化の方法としては、CO2を排出しないアンモニアや水素への燃料転換や、排出されたCO2を分離・回収するCCSなどの技術があります。

■CO2分離がキーワードの「CCS」「CCUS」
火力発電所イメージ

CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)」とは、二酸化炭素回収・貯留技術のこと。発電所などから排出されたCO2を、他の気体から分離、回収して貯留することでCO2を削減する方法です。ゼロ・エミッション火力プラント実現に欠かせない技術といえます。

CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)」は、分離・回収・貯留したCO2を工業製品やプラスチックなどの原料としてリサイクルする方法です。将来的に、回収したCO2と再生可能エネルギー由来の水素とを反応させ、燃料となるメタンを生成できるようになれば、CO2自体をエネルギーとして活用できるようになるとされています。

このほか、石炭をガス化し、コンバインドサイクル(ガスタービンと蒸気タービンの組み合わせ)により発電することで、従来より高効率でCO2排出も低減する「IGCC(石炭ガス化複合発電)」の実用化に向けた技術開発なども行われています。

[広報紙「MiRaI」Vol.79 2023 夏号 より転載]

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