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電気安全に関するQ&A

木質バイオマス発電が大きく伸びているそうですが、どれほど伸びていて、どんなメリットがあるのでしょうか?

地域の未利用木材や廃材などを活用する木質バイオマス発電は、エネルギーとしてだけでなく、林業や地域経済の活性化にも役立っています。

建設発生木材、製材工場残材、森林の未利用間伐材などを燃料とする木質バイオマス発電は、環境面、経済面で大きなメリットがあるとして注目され、最近、 日本各地で木質バイオマス発電施設が次々に誕生しています。

■買取価格も高い木質バイオマス発電
株式会社吾妻バイオパワー
吾妻木質バイオマス発電所

2011年に運転を開始した廃木材・剪定枝、間伐材など、木質チップ専焼の発電所で、地域の森林整備や木質チップのリサイクル率向上を目指しています。

●群馬県吾妻郡東吾妻町大字岡崎460-1

バイオマスを利用する発電には、木質バイオマス発電、廃棄物発電、バイオガス発電などがあり、その発電方法には、燃料として直接燃焼させて発電する蒸気タービン方式と、バイオマスをガス化して燃焼させるガスタービン方式があります。ガスを発生させて電力と熱を供給できるシステムを導入するケースも増えており、発電の排熱を農業用ハウスや養殖用の水の加温などに使うといった取り組みも進められています。

バイオマス発電の燃料としては、国内の森林資源を活用した木質バイオマスが特に重要であるとされていて、再生可能エネルギー固定価格買取制度では、林内に残されている未利用間伐材などによる発電電力の買取価格が最も高くなっています。

■バイオマス産業の半分を占めるバイオマス発電

農林水産省の推計によると、バイオマス産業の市場規模は約3500億円で、このうち約半分の1700億円強をバイオマス発電が占めているといいます。

2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)を機に急速に拡大し、認定を受け運転を開始したバイオマス発電の発電設備の総容量は280万kW(2016年2月末時点)、大型の原子力発電約3基分に匹敵する規模です。その多くを占めるのが木質バイオマス発電なのです。発電用の燃料になる木質チップの市場規模も1000億円を超えました。

平成28年2月末におけるバイオマス発電の導入状況

(単位:千kW)

  設備容量(運転を開始したもの) 認定容量
FIT導入前
(RPS制度)
~H24.6
FIT導入後 FIT導入後
24年度
H24.7~
H25.3
25年度
H25.4~
H26.3
26年度
H26.4~
H27.3
27年度
H27.4~
H28.2
累計
H24.7~
H28.2
メタン発酵ガス
(バイオマス由来)
14.7 0.4 2.8 6.0 7.2 31.1 44.7
問伐材由来の
木質バイオマス
14.5 5.7 7.2 55.9 120.8 204.1 397.4
一般木質バイオマス
農作物残さ
163.4 - 29.8 11.8 96.1 301.1 2,482.6
建設資材廃棄物 439.8 - 0.3 3.6 5.4 449.1 11.1
一般廃棄物
その他のバイオマス
1,681.4 24.3 51.8 24.3 41.9 1,823.8 225.2
2,313.8 30.38 91.98 101.68 271.58 2,809.2 3,161.0
495.4

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注)四捨五入により合計値が合わない場合がある。設備認定時のバイオマス比率を乗じて得た推計値を集計。

■全国でバイオマスを核とした地域計画も

木質バイオマスの活用は、循環型社会への移行、林業や地域経済の活性化、雇用の確保などにも貢献します。バイオマスを燃焼することにより放出されるCO2は生物の成長過程で大気中から吸収したCO2なので、カーボンニュートラルとなり環境対策としても有効です。

こうしたことから、バイオマスの活用を推進する地域計画の策定も各地で進んでおり、その一つが「バイオマス産業都市」です。これは経済性が確保された一貫システムを構築し、地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまち・むらづくりを目指すもの。全国で約30を超える地域が選定されており、発電のほか、さまざまなかたちでバイオマスを活用した電気・熱・ガスの地域内利用が進められています。

バイオマス産業都市の選定地域
●平成25年度(16地域)
  1. 北海道 十勝地域
  2. 北海道 下川町
  3. 北海道 別海町
  4. 宮城県 東松島市
  5. 茨城県 牛久巾
  6. 新潟県 新潟市
  7. 愛知県 大府市
  8. 香川県 三豊市
  9. 北海道 釧路市
  10. 北海道 興部町
  11. 宮城県 南三陵町
  12. 静岡県 浜松市
  13. 三重県 津市
  14. 島根県 奥出雲町
  15. 岡山県 真庭市
  16. 岡山県 西粟倉村
●平成26年度(6地域)
  1. 富山県 射水市
  2. 兵庫県 洲本市
  3. 島根県 隠岐の島町
  4. 福岡県 みやま市
  5. 佐賀県 佐賀市
  6. 大分県 佐伯市
●平成27年度(12地域)
  1. 北海道 平取町
  2. 宮城県 大崎市
  3. 山形県 最上町
  4. 栃木県 茂木町
  5. 山梨県 甲斐市
  6. 京都府 京丹後市
  7. 京都府 南丹市
  8. 島根県 飯南町
  9. 岡山県 津山市
  10. 福岡県 宗像市
  11. 大分県 臼杵市
  12. 宮嶋県 小林市

出典:農林水産省パイオマス活用推進会議「バイオマスの活用をめぐる状況」

[広報紙「MiRaI」Vol.53 2017 新年号 より転載]

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