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電気安全に関するQ&A

冬に低体温症で亡くなる人が熱中症と同じくらいいるという記事を見て驚きました。省エネも考えながら、温かく、安全に、快適に暮らす方法ってないのでしょうか。

室内でも低体温症になり亡くなる方が多くいます。コロナ対策で換気が必要な今、換気と、室温の低下による健康影響の防止を両立する取り組みが必要です。

近年、夏の熱中症の危険性については広く知られるようになりましたが、冬の低体温症についてはあまり注目されていませんでした。実は毎年、1000人を超える人が低体温症により凍死しているのです。しかも室内で亡くなる方が多いという報告もあります。低体温症を防ぎ、健康で快適に暮らす方法を考えましょう。

■増えている室内での東死

厚生労働省の「人口動態統計』によると、2017年に熱中症で亡くなった人635人に対して、「自然の過度の低温への曝露」として低体温による「凍死」で亡くなった人は1371人と倍以上になっています。凍死というと冬山での遭難などを思い浮かべますが、多くが高齢者で、しかも屋内での凍死が屋外の3倍以上というから驚きです。
原因の一つは、高齢になると暑さや寒さに対する感覚が鈍くなるため。そのため、暖房を適切に使わない高齢者もいるようです。人は寒くなると皮膚の血流量が減少して体内の熱を逃がさないようにしますが、寒さを感じないと血流量が減らず、体が放熱を続けて体温が下がり「低体温症」を発症してしまうのです。高齢者の単身世帯も増えており、持病が低体温症につながることもあるため、家族や周囲の人が注意して見守ることが大切です。

凍死による死亡者数 男女別・年代別凍死による死亡者数(2018年)
■体温が35°C以下になったら要注意

低体温症とは、深部体温が35°C以下に低下した状態です。はじめは体の震えなどの症状が現れ、31°C以下になると筋肉の硬直や脳の活動が低下するなどの症状が、さらに30°Cで脈拍や呼吸の減少、血圧の低下などが起こり、28°Cで昏睡状態、25°Cで仮死状態、20°Cで死に至るとされています。

軽度の低体温症は、暖かい飲み物を飲ませたり毛布などで体を温めたりして体温を上げて対処しますが、体温が33℃以下で急激に体温を上げようとすると毛細血管が一気に広がって血圧が低下し、ショック状態になる危険性があるので医療機関への搬出が必要です。

■室温を保ちながら換気も大切

屋内での低体温症を防ぐには室内を温かく保つ必要がありますが、新型コロナウイルスの感染防止対策、ノロウイルスやインフルエンザウイルスなどの感染予防にも空気の入れ替えは有効です。

冬に〈換気〉と〈室温低下による健康影響の防止〉を両立するポイント

  • ●居室の温度は18°C以上、湿度は40%以上に維持
  • ●換気は1時間に2回、1回につき約5分程度
  • ●対角線上に位置する2つの窓を開けて換気する
  • ●窓が1ヶ所だけなら、開けた窓に向かって扇風機で風を送る
  • ●窓を十分に開けられない場合は空気清浄機を併用する
  • ●窓開け換気をする際は、エアコンはつけたまま
  • ●加湿器はエアコンの向かい側の壁を背にして設置する

エアコンを切って換気をすると室温が急激に下がり、それをまた暖めるためにはエアコンの負荷が大きくなり、電気代も高くなる可能性があります。

■住宅の問題を改善

戸建て住宅は、マンションなどより寒くなりがちです。住宅の断熱性が低いと、温かい空気が漏れ出て暖房しても温まりにくく、光熱費が高くなるだけでなく、低体温症のリスクも高まります。窓やドアからの冷気の侵入を簡単に防ぐには、「冷気遮断カーテン」や「隙間風防止テープ」「冷気遮断ボード」などが有効です。さらにリフォームで、高効率で省エネ性の高いエアコンに交換したり、窓に内窓を付けることも考えられます。

挿絵 イラスト出典:暮らし創造研究会
「健康で快適な暮らしのためのリフォーム絵本」

[広報紙「MiRaI」Vol.73 2022 新年号 より転載]

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