電気安全に関するQ&A FAQ
カンリちゃん
QUESTION 86

オール電化住宅に住んでいるのですが、電気料金の高さに参っています。なぜここまで電気代がかかるのか、電気代を抑える方法はないのかを知りたいです。

ANSWER

昨今の電気代の高騰で、オール電化の電気代が大変という声が聞かれますが、電気製品や住宅設備の使い方、電力プランの選び方などで電気代を抑えることはできます。

まもるくん

電気代が高騰し、国の補助もあてにならない状況で、家計への負担は重くなっています。すべてを電気で賄うオール電化住宅の場合は特に心配な状況ですが、光熱費全体を考えると、実はオール電化住宅のほうが極端に負担が大きいわけでもなさそうです。

オール電化住宅の電気料金は割安!?

オール電化住宅はガス代の基本料金を支払う必要がないため、ガスと併用した場合より光熱費を削減できる可能性があります。また、夜間の電気代が昼間の電気代よりも割安に設定されたプランなどもあって、電力量1kWhあたりの料金で見ると、非電化住宅よりも割安となっています。

しかし、世界的なエネルギー高騰の影響で電気料金は上がっています。特に、寒冷地のオール電化住宅では、冬の電気代が月に10万円を超えるケースもあるようです。

使う機器によって大きく変わる電気代

冬場に電気代が高くなるのは、エアコンなどの暖房器具の使用によるためです。さすがに関東地方で10万円を超えることはなさそうですが、オール電化住宅では旧式の機器が電気代を押し上げる大きな要因となっています。

1990年頃の初期のオール電化住宅では、給湯にヒーター式の電気温水器や蓄熱暖房機、パネルヒーター、電気ボイラーによるセントラル方式の暖房などを使用するのが一般的でした。しかし、2000年代に入ると、「ヒートポンプ給湯器(エコキュート)」や「ヒートポンプ暖房システム」など、省エネ性能の高い電化製品が普及し始めます。ヒートポンプで取り込んだ空気の熱を使って湯を沸かしたり暖房するシステムは、電気の使用量を大幅に削減できます。

省エネを意識した生活を

オール電化住宅だけに限りませんが、まずは省エネを意識して行動することが大切です。例えば一

  • エアコンは適正な温度設定にする
  • 洗濯は回数を少なくする
  • エコキュートは省エネモードにする
  • IHクッキングヒーターはタイマーを活用する
  • 冷蔵庫は詰め込みすぎない
  • 温水洗浄便座の温度を低めにする

使わない場所の照明は消す、長時間使用しない家電製品のプラグを抜くなど、ちょっとした事の積み重ねが効果を生みます。

オール電化住宅の電気料金を抑えるポイント

家電や住宅設備の使い方を工夫する

消費電力の大きいものは、できるだけ電気代が高い時間帯を避けて使うようにしましょう。冬場は暖房と給湯の消費電力が多くなります。夜間に作動する給湯器や蓄熱暖房機の場合、お湯や暖房の使用量が気温や使用時間によって変わるためこまめに設定を見直したり、洗濯機や炊飯器などはタイマー機能を使うなどするとよいでしょう。

単価の低い深夜帯の電力を活用する

出典:東京電力エナジーパートナー ※金額は1kWhあたりの電力量料金単価(税込)

電力会社では、オール電化向けの料金プランを提供している場合があり、その料金設定は夜間が低く、日中が高いケースが大半です。東京電力の場合、オール電化向けのプラン「スマートライフS/L」があり、夜間の電気使用量の割合が高くなるほどおトクになる「夜トクプラン」もあります。

太陽光発電と蓄電池を取り入れる

太陽光発電と蓄電池を導入して、電気代が高い日中は太陽光発電や蓄電池にためた電力を使用し、電気代の安い夜間に蓄電池を充電することで電気代を節約します。電気自動車を蓄電池として活用するV2Hは国も導入を促進しており、条件を満たせば補助金が交付されます。また、ポータブル型の蓄電池とソーラーパネルを利用する手軽な方法もあります。
※V2H…「Vehicle to Home」電気自動車(EV)などのバッテリーに貯めている電力を自宅で使えるようにする機器

広報紙「MiRaI」Vol.85 2025 新年号 より転載