雷が落ちると、電気が一瞬チカチカするのはなぜ?
送電線に雷が落ちたとき、停電を防ぐため、その送電線が電力系統から切り離された瞬間、チカチカするのです。
昔は雷による停電がよくあったような気がしますが、最近では設備の強化や故障除去の高速化が進み、めったに停電することがなくなりました。それでも、落雷自体をなくすことはできません。送電線に落雷を受けたら、その送電線を自動的に電力系統から切り離し、停電を防いでいます。この切り離しにかかる時間はわずか0.07~2秒程度とされています。ほんの一瞬ですが、切り離しが完了するまでに電圧が低下するため、電気がチカチカしてしまうのです。これを「瞬時電圧低下」といいます。
瞬時電圧低下が一般家庭の電気製品に影響を及ぼすことはあまりありませんが、工場やオフィス、店舗などで使用している機器によっては、誤作動や停止などの影響が出る場合があります。それぞれの装置によって対策が必要です。一般家庭でも、マイコン制御の家電は影響を受ける場合があります。
落雷を受ける送電線が高電圧になるほど、影響は広範囲に及びます。雷が近くないからといって安心はできないので十分注意してください。
落雷があっても家なら安全?
雷が近くに落ちたときは、水道管や配水管などの金属を伝わり、雷の高い電圧が家の中に侵入する場合があります。その対策として洗濯機などはアースをし、コンセントなどに落雷対策の器具をつけると安全です。近くで落雷が起きているときには、感電事故を防ぐために、水を使う入浴や洗濯、炊事などはやめたほうがいいでしょう。また、電線や電話線などから雷が侵入して、家電製品やパソコンの電子回路をこわす恐れもあるので、早めに電気製品のプラグを抜くかブレーカを切って電気の通り道を遮断します。ただし、落雷が非常に近いときは危険なので、プラグにも電気製品にも触らないようにしてください。