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電気安全に関するQ&A
最近、スマートグリッドとかスマートシティという言葉がよく出てきますが、それってどういうこと?
ITを使って電力の需要と供給を最適化する次世代型インフラと、そうした技術を活用した次世代型の地域コミュニティです。
【スマートグリッドとは】
オバマ大統領のグリーンニューディール政策で一気に注目されるようになった「スマートグリッド」は、スマート(賢い)とグリッド(送電網)を合わせた造語です。日本語では「次世代送電網」と訳され、経済産業省では「最新のIT技術を活用して電力供給、需要に係る課題に対応する次世代電力系統」と定義しています。エネルギーのネットワークと情報通信技術の融合で、電力の流れを供給側、需要側の双方向から自動調整することにより、高効率、安定的に電力を供給できるシステムです。環境省では2030年までにスマートグリッドの普及率を100%にする目標を掲げています。
【スマートグリッドはなぜ必要?】
低炭素社会の実現のためには、CO2を排出しない太陽光発電などの新エネルギーの導入が急がれています。しかし、自然エネルギーは天候に左右され不安定で、大量に導入されると電圧や周波数に乱れが生じるという問題があります。それを解決するためにもスマートグリッドが必要なのです。
スマートグリッドに欠かせないのは、通信機能を持つ高度な電力測定器(スマートメータ)です。家庭やオフィスに設置して、電気使用量を計測し、データを定期的に電力会社(コントロールセンタ)に送信します。これにより電力使用量を把握・予測でき、発電量や送電量の調整や制御ができます。
【スマートシティが動き出す】
スマートシティ(スマートコミュニティ)はスマートグリッド技術を活用し、太陽光などの再生可能エネルギー、家電製品、蓄電池、電気自動車などを接続し、さらに交通システムなどを組み合わせ、地域レベルでエネルギーマネジメント(地産地消)を行うもの。日本では昨年度から5ヵ年計画で、神奈川県横浜市、愛知県豊田市、京都府、そして福岡県北九州市でスマートコミュニティの実証実験が始まっています。
の3地域を中心に、市民が実際に暮らす既成市街地で、広く市民参加を募りながら、地域エネルギーマネジメントシステムと電気自動車を用いたエネルギーマネジメントの実証実験が行われます。特に、電気自動車を開発し、太陽光発電などの蓄電設備として活用する実験が注目されます。
スマートグリッドは、低炭素社会の実現だけでなく新たなビジネスモデルの創出や雇用拡大、産業振興などにもつながり、経済発展や生活の質向上をもたらす技術として大きな期待を集めているのです。