「4Kテレビ」という最新方式のテレビがあるようですが、どんなテレビなのでしょうか?何が違うのでしょうか?
フルハイビジョンの4倍画素数で、大画面でも高精細の美しい映像が楽しめる次世代テレビです。
フルハイビジョンの4倍だとどういいのか

現在主流のフルハイビジョンテレビの画素数は水平(横)1920×垂直(縦)1080で約200万画素。これに対して、4Kテレビはその4倍の3840×2160で約800万画素。1000は1K(キロ)という単位で表され、横方向の画素数が約4000だから4Kと呼ばれているのです。
画素の密度がフルハイビジョンの4倍なので、同じ画面サイズなら4Kのほうが画面の粗さが目立たず、映像がきめ細かく滑らかに見えます。この差は大画面になるほど際立ちます。フルハイビジョンだって、最初はみんなすごい!と驚いていましたが、近くで見るとそれでも粗さが見えたのが、4Kでは非常にきれい。画面上の小さな文字や線もはっきり見えます。色や光の再現も鮮やかで、映像に立体感まで感じられるようで、思わず触ってみたくなるようなリアルさがあります。


ハイビジョン放送のように4K放送がある
かつてハイビジョン放送が始まったころ、テレビはまだその解像度に対応していないものがほとんどでした。4Kテレビの場合は逆で、テレビが先にでき、4K放送がテレビにまだ追いついていません。今年の6月2日からようやく試験放送が始まったばかり。
現在の4Kテレビで試験放送を見るには、専用のチューナまたはセットトップ・ボックスという装置やCSアンテナが必要。4K放送の番組撮影にも専用機材が必要だし、フルハイビジョンより容量の大きいデータを伝送する技術やシステムもまだ開発の途上です。本放送が始まるのは2016年の予定と言われています。
4Kで見るものがない?
4Kテレビは2Kの映像も4Kに変換する機能を持っているので、精細感の高い映像が楽しめます。また、4Kで撮影された映画作品のブルーレイなどを見るのにも適しています。デジタル一眼レフカメラの高画質な写真もパソコン画面で見るよりはるかにきれい。最近は、4Kで撮影できるビデオカメラも出てきているので、自分で撮影した動画を見るのもいいでしょう。
2011年に東芝が世界で初めて家庭用の4Kテレビを発売し、現在はソニー、シャープ、パナソニックからも出ています。大画面が中心ですが、40型も登場し、高画質・低価格化が進み、2014年は「4K元年」とも言われています。しかし、2016年にはさらに高画質な8Kの試験放送も開始されるといい、テレビの進化は止まらないようです。
広報紙「MiRaI」Vol.44 2014 秋号 より転載