11月9日は“換気の日”だそうですが、換気はそんなに大切なのでしょうか?また、家の中の場所によって換気の仕方に違いがあるのでしょうか?
換気は人間の健康のためにも、建物の健康のためにも大切です。また、部屋によって換気の目的が異なるため換気扇の使い方も異なります。
11月9日は11(いい)と9(空気)で「いい空気」ということから「換気の日」とされています。換気には「脱臭」や「除湿」「室温調整」「除塵」などの働きがあり、私たちの健康維持や、住まいの結露やカビなどを防止して、建物を守る役割もあるのです。
換気はなぜ必要?

新鮮な空気を取り入れ、汚れた空気を排出する換気。空気中のホコリには有害な雑菌が付着していることもあり、換気で「ホコリも排出」します。また、人が呼吸するとCO2が発生しますが、その量は大人だとなんと1日480L。新鮮な空気との入れ替えが大切です。
「除湿」も換気の大切な役割です。浴室の湿気だけでなく、人の体や燃焼器具からも水分が放出され、室内全体では1日当たり10L以上の水蒸気が発生しているといわれます。寒い時期は外気との温度差で湿気が結露となり、カビやサビが発生したり、壁や家具などの傷みにもつながります。そうした湿気を室外に放出するために、居室でも換気が大切です。
トイレやキッチンはもとより、さまざまな生活臭を排出する「脱臭」も換気の大事な役割。夏の夜などは室内の熱を追い出し、涼しい外気を取り込む「室温調整」にも役立ちます。居室では熱交換型の換気扇を使えば、室温はそのまま換気ができるので冷暖房効率を下げず、エネルギーロスを防げます。
目的に合わせた換気扇の使い方

キッチンの換気扇は、コンロの使用時間や料理の種類によって運転時間や風量の強弱を切り替えましょう。キッチンでは多くの排気量が必要で、その分、給気も必要ですが、換気扇を回し続けると冬場は冷気が侵入して暖房効率が低下するため、運転時間や風量をこまめに調整しましょう。
最も湿気が発生する浴室の場合、入浴後、最低3時間は換気が必要です。夜に入浴したら、朝まで換気扇を運転し続けるのがおすすめです。
脱臭が目的のトイレの換気扇は、小型で電気代もわずかなため常時運転がおすすめ。最低でもトイレ使用後10分程度は使用してください。
効率のよい換気のために

効率のよい換気には、換気扇(排気口)と給気口や窓の位置関係が重要です。最も効率が良いのは、給気口と排気口が直線的に並んでいる場合。換気扇の排気能力に対し十分な給気ができないと換気扇が十分な効果を発揮できません。家の新築やリフォームの際はこうしたことも考慮しましょう。給気口を設けるのが難しい場合は、1つのダクトで給気と排気を同時に行える同時給排タイプの換気扇もあります。

換気扇は「長期仕様製品安全表示制度」の対象製品です。これは、経年劣化により起こる発火やケガなどの事故を未然に防ぐことを目的とし、製品には安全上支障なく使用できる標準使用期間と経年劣化による注意事項の表示が付いていますので、使用中の換気扇を確認してみましょう。また、次のような症状があったら、使用を中止して販売店に点検や修理を相談してください。
- スイッチを入れても時々羽根が回らない時がある
- 羽根の回転が遅かったり不規則だったりする
- 運転中に異常な音や振動がする
- モーター部分が異常に熱かったり、焦げ臭いにおいがする
広報紙「MiRaI」Vol.64 2019 秋号 より転載